畳は糸で縫って作ります。
畳床は圧縮した藁を糸で縫って作っています。
畳表(ゴザ)は畳床に糸で縫いつけます。
畳縁の内側も糸で縫っています。
よく年配の方に、『昔は肘でギュってやってたよね。』
動作を真似ながら言われるのはこのヘリの内側を縫っている時の動作です。子供の頃、八重治さん(曾祖父)や文夫さん(祖父)畳台持ってきてうちで縫ってたの記憶にある。なんて言われたりもします。
畳縁の側面も糸で縫っています。
どこの糸も部屋に敷いてしまうと見えませんが、畳は何箇所も糸で縫い止められてできています。
今回のタイトル「みえないところ」
お仕事させていただいたお客様の畳の写真です。
「畳表を糸で縫う」という部分が糸で縫わずにタッカー(大きなホチキス針)でとまっていました。
さらに畳床と畳表の間には接着剤で貼ってありました。タッカーだけだと弱いと考え接着剤で貼ったのかもしれません。今回は表替え(畳表の交換)なので関係ありませんが、接着剤を内側に塗ると下の写真のようになってしまいこれでは裏返しして使う事ができません。
(当店では5年での裏返しすることをおすすめしております。)
一般的な畳の厚みは60mmあります。この畳の厚みが30mmだったので縫えなかったのかもしれませんし、早く仕上げたくてタッカーにしたのかもしれません。
当店ではこの部分も糸で縫って仕上げました。
余談
技術指導をしてくださる横浜の海老名畳店の吉野さんが「畳はどうしてこんなに縫いづらいんだ」って言っているのを思い出しました。w そんな吉野さんはこのタッカーでとめられている部分を普段手縫いをしています。とても尊敬している親方です。
昨年アメリカ イリノイ州で吉野さんと共に施工した畳の表替えの作業中の写真
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